耳コピとは、その名の通り「耳でコピーすること」です。
耳コピをするのに才能はいりません。
皆さんは、
「耳コピは難しくて習得できなさそう」
「音感がないと耳コピは難しいんじゃない?」
という風に思っていませんか?
この記事では、初めての方でも耳コピができる方法について、ピアノ講師である自分の観点からご紹介します。
具体的には、
- 耳コピをする方法
- 耳コピのコツ・練習方法
- 耳コピがやりやすくなる2つの方法
の順番にご紹介していきます。
- これから耳コピをしたいと思っている方
- 耳コピをしようとして失敗してしまった方
このような方必見の記事です。
6分くらいで読めるので、ぜひ最後までお読みください!
ピアノで耳コピをする方法 耳コピに才能はいる?
耳コピは音感がないとできないものなのでしょうか。
実は、耳コピは練習次第で誰でもできるようになります。
ここでは、そんな耳コピについて、また、耳コピのやり方を説明します。
- 耳コピとは
- 耳コピのやり方
耳コピとは
耳コピとは、その名の通り「耳でコピーすること」。つまり、聴いた音を再現する技術のことを言います。
聴いた音を再現すると言うと、絶対音感のような特殊な能力が必要だと感じますよね。
しかし、耳コピは全ての音を聴いて再現しているわけではありません。
耳コピは、音を聴くのに加えて、音楽の知識を活用してコピーしています。
音を聴いて再現するのにも、何回もコピーをしていくうちに自然と再現できるようになっていきます。
これから耳コピをしたいと思っている方は、
「耳コピは時間がかかるけど、少しずつできるようになっていくものだ」
ということを覚えておきましょう。
耳コピのやり方
早速耳コピの方法について見ていきましょう。
耳コピは、主にこの4ステップを繰り返していきます。
【耳コピのやり方】
- コピーしたい曲を聴く
- 聴いた音を覚える
- 楽器を使って、覚えた音と同じ音を探す
- もう一度曲を聴いて、音が合っているかどうかを確かめる
それでは、この4ステップについて詳しく解説していきます。
- コピーしたい曲を聴く
まずは、コピーしたい曲を聴きましょう。
耳コピを始めたうちは特に、曲を聴き込むことが大切です。
頭の中で曲を流せるくらい聴くことで、コピーがよりスムーズになります。
- 聴いた音を覚える
次に、聴いた音を覚えましょう。
と言っても、全ての音を一度に覚えることはできません。
ですので、コピーするときは1フレーズずつ、もしくは、1音ずつ聴いて覚えていきましょう。
聴いた音を声に出してみるのも効果的です。
- 楽器を使って、覚えた音と同じ音を探す
ステップ2で覚えた音と同じ音を探しましょう。
手元にあるピアノ(他の楽器でも◯)を使って、覚えた音と同じ音を探していきましょう。
ここからは地道な作業になります。
初めのうちは、ドからシまでの12音を一つずつ確認していくのがおすすめです。
慣れてくるとこの音かなと予測がつくこともありますが、初めはなかなか難しいと思います。
諦めずに一つずつ確認しましょう。
- もう一度曲を聴いて、音が合っているかどうかを確かめる
ステップ3で探した音が合っているかどうかを、もう一度曲を聴いて確かめましょう。
その音が合っていればステップ1に戻って、次の音を探しましょう。
合っていなかったらもう一度ステップ3に戻って、同じ音を探していきます。
ただし、どうしてもわからないところは飛ばすのもありです。
あまり難しいところばかりやっていても挫折してしまう要因になるので、できる範囲でやっていけば大丈夫です。
曲自体が難しいと感じたら、曲を変えることも考えましょう。
ピアノで耳コピをするときのコツ・練習方法
ここでは、耳コピがよりやりやすくなるためのコツや、練習の方法についてご紹介します。
- キーを探す
- 音楽の理論を学ぶ
- 簡単な曲をコピーする
これらの方法を試すことで、耳コピが何倍も速くできるようになります。
ぜひ試してみてください。
キーを探す
耳コピをするときは、まず初めに曲のキーを探すようにしましょう。
キーとは、日本語で言う「調」と同じ意味で、曲がどんな音のセットで作られているかを表したものです。
例えば、キーがCの場合、その曲は「ドレミファソラシド」を使って作られています。
このように、曲のキーを探すことで、使われる音がある程度絞られ、耳コピがしやすくなります。
【キーと音階一覧】
キー(調) | 使用される音階 | ||||||
C | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
D♭ | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド |
D | レ | ミ | ファ# | ソ | ラ | シ | ド# |
E♭ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ |
E | ミ | ファ# | ソ# | ラ | シ | ド# | レ# |
F | ファ | ソ | ラ | シ♭ | ド | レ | ミ |
G♭ | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド♭ | レ♭ | ミ♭ | ファ |
G | ソ | ラ | シ | ド | レ | ミ | ファ# |
A♭ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ |
A | ラ | シ | ド# | レ | ミ | ファ# | ソ# |
B♭ | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ |
B | シ | ド# | レ# | ミ | ファ# | ソ# | ラ# |
※オレンジで書いた音=中心音
キーを探すときは、キーの中心音がどれかを探しましょう。
中心音とは、それぞれのキーにある1番始めの音のことです。
中心音の探し方で簡単なのが、フレーズの最後の音を聴くことです。
この中心音は、そのキーの中で、落ち着く音になっています。
そのため、フレーズの最後にくる音は、中心音のような落ち着く音で終わることが多いです。
中心音がわかったら、そのキーの音階を弾いて、曲とマッチするかを聴いてみましょう。
合っているようなら、その曲のキーが見つかったことになります。
初めは難しいかもしれませんが、慣れてくると速くできるようになってきますので、諦めずに挑戦してみましょう。
音楽の理論を学ぶ
音楽の理論は、コピーをより簡単にしてくれてとても便利です。
先程ご紹介した「キー」のように、音楽の理論を知っておくと、曲をコピーするのが何倍も速く、簡単になります。
耳コピに挑戦するときは、併せて音楽理論を少しずつ勉強することがおすすめです。
ここでは、曲で使われるコードがわかるようになる「ダイアトニックコード」についてご紹介します。
ダイアトニックコードとは
ダイアトニックコードとは、特定の音階にある音だけを使って作られるコードのことです。
例えば、キーがCの場合、「ドレミファソラシド」の音だけを使って作られるコードがダイアトニックコードです。
曲で使われるコードは、主にこのダイアトニックコードが使われています。
そのため、ダイアトニックコードを知っておけば、曲のコードをコピーするのがより簡単になります。
【キーごとのダイアトニックコード一覧】
キー(調) | ダイアトニックコード | ||||||
C | C | D | E | F | G | A | B |
D♭ | D♭ | E♭ | F♭ | G | A♭ | B♭ | C |
D | D | E | F# | G | A | B | C# |
E♭ | E♭ | F | G | A♭ | B♭ | C | D |
E | E | F# | G# | A | B | C# | D# |
F | F | G | A | B♭ | C | D | E |
G♭ | G♭ | A♭ | B♭ | C♭ | D♭ | E♭ | F |
G | G | A | B | C | D | E | F# |
A♭ | A♭ | B♭ | C | D♭ | E♭ | F | G |
A | A | B | C# | D | E | F# | G# |
B♭ | B♭ | C | D | E♭ | F | G | A |
B | B | C# | D# | E | F# | G# | A# |
キーを判別したら、この表を基に、コードがどれかを探してみましょう。
キーがわかっていても、コードがダイアトニックコードのどれにも当てはまらないときもあります。
そのときは、ダイアトニックコードとは違うコードが使われているため、ダイアトニックコード以外のコードから探してみましょう。
簡単な曲でコピーする
耳コピの練習として、簡単な曲から始めるのがおすすめです。
耳コピがしやすい曲として、
- 調号(#や♭のこと)が少ない曲
- テンポがゆっくりな曲
- 使われている楽器が少ない曲
が挙げられます。
まずはこれらに当てはまる曲から練習してみましょう。
耳コピがしやすい曲を2つ紹介します。
スピッツ/チェリー
この曲は、耳コピがしやすい曲の特徴にぴったり当てはまっていて、初めて耳コピするのにおすすめです。
なんの曲からコピーするか迷っている方、好きな曲のコピーが難しいと感じた方はまずこの曲から始めてみましょう。
井上あずみ/君をのせて
映画『天空の城ラピュタ』の主題歌になった曲で、知っている方も多いと思います。
この曲も、比較的耳コピがしやすい曲で耳コピの練習としておすすめです。
耳コピがしやすくなる2つの方法
ここでは、耳コピをするときに役立つ2つの方法についてご紹介します。
- ヘッドホン、スピーカーにこだわる
- 耳コピを助けてくれるアプリ・ソフトを使う
耳コピをするときは、これらも試してみてください。
フレーズや一つひとつの音が聴きとりやすくなり、耳コピがはかどりますよ。
ヘッドホン、スピーカーにこだわる
高品質なヘッドホンやスピーカーを使うことで、より耳コピがしやすくなります。
なぜなら、音質が悪いヘッドホンやスマホのスピーカーだと、音がぼやけたり、本来鳴っている音が再生されないことがあるからです。
もし余裕がある場合は、ヘッドホンやスピーカーを今よりもよいものを使ってみることをおすすめします。
耳コピを助けてくれるアプリ・ソフトを使う
再生速度の調整やループ機能、イコライザーなど、耳コピの手助けとなる機能があるアプリ・ソフトを使うことで耳コピがしやすくなります。
耳コピをしていると、
「速くてフレーズが聴きとれない」
「同じところを聴きたいけど、いちいち元の場所に戻すのが面倒」
「低い音が聴きとりにくい」
といった場面がよくあります。
そのときは、耳コピの手助けとなるアプリ・ソフトを使ってみましょう。
耳コピの手助けとなるアプリ・ソフトを3つご紹介します。
mimiCopy
アプリ・ソフト名 | mimiCopy |
対応OS | iOS |
リンク | iOS |
料金 | 610円 |
iOSで使用できるアプリで、購入した曲をインポートすることができます。
音の高さを変えずにスローで再生したり、ループ再生、メモ機能などの耳コピをする上で役に立つ機能が搭載されています。
Audipo
iOSとAndroid両方で使える無料のアプリです。
指定の場所を繰り返し再生するループ再生の機能や、再生速度の調整、音程の変更ができたりと、無料ながら高機能です。
Wave Tone
アプリ・ソフト名 | Wave Tone |
対応OS | Windows |
リンク | Wave Tone |
料金 | 無料 |
Windowsで使える、耳コピを手助けしてくれる無料のソフトです。
無料ですがとても高機能なのが特徴で、
- コードの検出
- 再生速度の変更
- 音程の変更
- テンポの自動検出
- イコライザ
- リピート再生
- ボーカルカット
- 音声スペクトラム解析
など、多くの機能が搭載されています。
まとめ
ここまで、耳コピのやり方やコツ・練習方法などについてご紹介してきました。
耳コピとは、その名の通り「耳でコピーすること」。つまり、聴いた音を再現する技術のことを言います。
その耳コピのやり方には、4ステップあります。
【耳コピのやり方】
- コピーしたい曲を聴く
- 聴いた音を覚える
- 楽器を使って、覚えた音と同じ音を探す
- もう一度曲を聴いて、音が合っているかどうかを確かめる
初めは難しいと思いますが、諦めずに自分のペースでやっていくことが大切です。
また、より耳コピが上達するコツや練習方法をご紹介しました。
【耳コピのコツ・練習方法】
- キーを探す
- 音楽の理論を学ぶ
- 簡単な曲をコピーする
音楽の知識を身につけることで、使われる音が予測しやすくなり、耳コピが何倍も速くなります。
また、耳コピをしやすくなる方法もあり、その方法を試すことで、より耳コピがしやすくなります。
【耳コピがしやすくなる2つの方法】
- ヘッドホン、スピーカーにこだわる
- 耳コピを助けてくれるアプリ・ソフトを使う
「時間はかかるけど、ゆっくりとできるようになっていく」ということを忘れないようにしましょう。
初めはなかなか難しいと感じる部分が多いと思いますが、自分のペースで練習していけば段々とできるようになりますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が耳コピに挑戦したい方の手助けになれば嬉しいです!
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