- 「ピアノの本番前はいつも手が冷たいのはなぜ?」
- 「手が冷たくてうまく弾けなかったらどうしよう、と心配…」
- 「手をすぐ温めたいときは、どうしたらいいの?」
ピアノの本番前って、手がキンキンに冷たいことありますよね。
そういう時は指の動きもぎこちない…本番で失敗したらどうしようと余計に緊張してしまうものです。
そこで、ピアノの本番前に手が冷たくて困っている人に向けて、手が冷たくなる原因と解決策をお伝えします。
さらに、日頃からできるケアも紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、冷えのつらさから解放されましょう!
- ピアノ本番前に手が冷たくなる原因
- ピアノ本番直前に手を温める方法
- 普段からできる冷え対策
ピアノ本番前に手が冷たくなる原因は、体の冷えと緊張
ピアノの本番前に手が冷たくなる原因は、体の冷えと緊張です。
寒さで体が冷えているとき、体は体温が下がらないように、体の中心である心臓や内臓に血液を集めます。
そのため、体の末端にある手や足には血液が十分届きにくくなり冷えを感じるのです。
また、本番前には多少なりとも緊張することが多いのではないでしょうか。
緊張するとアドレナリンが出ます。このアドレナリンは、手や足の血管を縮めて、心臓や内臓に血液を集めようとする働きがあります。
この働きによって手の血流が悪くなりやすいので、手が冷たくなります。
ピアノの発表会というと、会場が広くて寒かったり、普段より薄着だったりすることがあると思います。
さらに、人前で演奏を披露するという緊張が加わり、普段より手が冷たく感じることが多いのです。
手が冷たくなりやすい人に多い体質
同じ状況にいても、手が冷たくなりやすい人となりにくい人がいます。そこで、手が冷たくなりやすい人に多い体の特徴を3つ解説します。
筋肉量が少ない
体の筋肉量が少ないと、冷えを感じやすいです。男性より女性に冷えやすい人が多いのは、筋肉量の違いとも言われます。
理由はずばり、筋肉が熱を作るからです。
例えば、運動すると体が熱くなりますよね。これは、体がエネルギーをつくるときに、筋肉からたくさんの熱が発生するから。
また、じっとしているときも生命維持のために大量のエネルギーが消費されており、このエネルギーの消費量は筋肉量に比例するといわれています。
つまり、運動時も安静時も、筋肉が多いほど必要なエネルギー量が多くなります。そのエネルギーをつくる際に熱が発生するので、筋肉量が多いほど体は冷えにくいというわけです。
筋肉が凝っている
筋肉は多いほうが良いですが、凝り固まった筋肉は体を冷やします。
筋肉が凝っている状態とはつまり、血の巡りが悪くなっている状態だからです。
ピアノの演奏のように、同じような姿勢が続くと肩がダル重く感じることがありますよね。長時間の練習も体力・気力ともに疲れます。
長時間同じ姿勢だったり疲れがたまったりすると、筋肉は酸欠状態になって乳酸が作られます。乳酸がたまると筋肉は固くなるので、固くなった筋肉が血管を圧迫し、血の巡りが悪くなるのです。
つまり、しなやかでやわらかい筋肉が、冷えにくい体を作ります。
手足がむくんでいる
手足のむくみも冷えと大きく関係があります。
むくみとは、体内の余分な水分がスムーズに排出されない状態のこと。余分な水分とは、リンパ液や細胞のまわりにある水分のことで、通常であれば静脈に吸収されていくものです。
体が冷えやすい人は血の巡りが悪くなっていると同時に水分の巡りも悪いため、手足がむくみやすいのです。
体が冷えやすく、夕方になると足がパンパンにむくんでしまう人は、体の巡りが滞っているサインかもしれません。
手が温まる!本番直前でもできる5つの方法
いざ本番なのに、手が冷たいと困ってしまいますよね。
そこで、本番直前でもできる手を温める方法を5つ紹介します。どれも簡単なので、本番前だけでなく、普段の練習前にもぜひ取り入れてみてください。
ピアニストの必需品、手袋とカイロで温める
手袋とカイロは、ピアニストの必需品といっても過言ではないくらい定番ですね。
効果的な使い方は、前腕や手首も温めることです。
なぜなら、ピアノを弾くときは指先だけでなく腕の筋肉も使うため、そこを温めておくと指がスムーズに動きやすくなるのです。
また、手首の皮膚近くには太い血管が通っているので、温めることで指先までポカポカします。
特に女性は、本番の衣装というと普段より薄着な場合が多いですよね。カーディガンを羽織ったり、アームウォーマーをつけたり、袖口の長い手袋を使うとより温まります。
さらに、こんなグッズも便利ですよ。
- 【桐灰化学】桐灰カイロ 巻きポカ
専用の温熱シートによって、手首からじんわり温まります。
冬場に釣りをする人たちにも人気があります。
- カイロが入るハンドウォーマー
お手持ちのカイロを入れて使うことができます。
これらは本番直前まで使用できるので、持っておくと安心ですね。
効果的に手袋やカイロを使って、腕から指先まで温めましょう。
電気ストーブで温める
電気ストーブも手が冷たいときには効果があります。冬場には、控室や舞台袖に置いてあることもしばしばあるのではないでしょうか。
電気ストーブは直接的に温めるのが得意なので、手や足など部分的に使うと良いでしょう。
軽量でコンパクトなものも多いため、不安な場合は持参するのも一つの手ですね。その場合は、会場の方に電源を使う旨を伝えてから、使用するようにしましょう。
- 小型温風器 セラミックヒーター
わずか510gの超小型ヒーター。持ち運びに便利です。
深呼吸をしてリラックスする
冒頭でお伝えしたように、緊張すると手が冷たくなりやすいです。
緊張していないと思っていても、手はひんやり冷たくなっている場合もありますよね。
そんなときは、深呼吸をしてみましょう。
深呼吸をすることで体の血の巡りがよくなります。
脳にも酸素が行きとどくため、頭もスッキリし、集中力アップにつながります。
さらに、自律神経を整えるため適度にリラックスでき、本番前の緊張を和らげてくれます。
【深呼吸の方法】
- まずは体の中にある空気をしっかり吐く
- 6秒かけて鼻から空気を吸う
- 9秒かけて口からゆっくり空気を吐く
10回を目安におこなってみましょう。息を吸うときに手を伸ばして広げ、吐くときに縮めるようにすると、より心地よくできます。
緊張していると、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっていることが多いものです。
意識的に深呼吸を行うことで気持ちが落ち着き、手もじんわり温かくなってきますよ。
ストレッチやマッサージをする
手が冷たいときは、ストレッチやマッサージも効果的。
ストレッチやマッサージをすることで指先まで血が届きやすくなるため、手が温かくなってきます。
今回は、手がじんわり温かくなる手のストレッチとマッサージを紹介します。
【手のストレッチ】
- 右手首を、左手でぎゅっと握る
- そのままの状態で、右手をグーパーグーパー10回ほど繰り返す
- 左手を離して、右手をぶらぶらと揺らす
- 反対の手でも同様におこなう
手首の手を離したとき、指先までじゅわっと血が巡るのがよくわかると思います。
【手のマッサージ】
(引用:ウェザーニュース)
爪の生え際の両脇にはツボがあり、よく揉むと体全体があたたまります。
老宮(ろうきゅう)というツボは、血のめぐりを良くするだけでなく、自律神経を整える働きもあります。ここを刺激することで、本番前の緊張を和らげることができますよ。
ストレッチやマッサージは道具が必要ないので、本番直前でもできますよね。
手だけでなく、首や肩のストレッチも効果的ですよ。
いきなり強い力を加えると痛めてしまう可能性もありますので、無理のない範囲でおこなってみてください。
体を温めるドリンクを飲む
本番前に余裕があれば、体を温める効果のあるドリンクを飲んでみましょう。体の内側からぽかぽか温かくなります。
おすすめのドリンクはこちら!
- ココア
ココアに含まれる「カカオポリフェノール」には、血管を広げて血の巡りを良くする働きがあります。
- 紅茶
ポリフェノールの一種である「テアフラビン」には、血液をサラサラにして血の巡りを良くする働きがあります。
紅茶のなかでも、ウバ・ディンブラ・アッサムは、テアフラビンの含有量が多いためおすすめです。
- しょうが湯
しょうがに含まれる「ショウガオール」には、血管を広げて血の巡りを良くする働きがあります。
紅茶と合わせて飲むと、温め効果は抜群です!
日頃から冷え対策をして体を温めよう
体が冷えやすい体質の人は、生活習慣を少し変えることで症状がやわらぐこともあります。
そこで、日頃からできる冷え対策を4つ、ポイントを押さえながら紹介します。
毎日入浴しよう
入浴が冷え対策に効果があることは、言わずと知れていますよね。
入浴によって血管が広がり、たくさんの血液が手や足まで届くので体があたたまります。
それだけでなく、筋肉の緊張をゆるめ、水圧がかかることでむくみの予防にもなります。何よりリラックス効果によって、疲れた体を癒し、ストレス解消につながります。
入浴のポイントは、40度前後のお湯に10分程度浸かること。顔や額がじっとり汗ばむくらいまで、が目安です。
長時間浸かりすぎるとのぼせてしまったり、お湯が冷めて体が冷えてしまったりすることもあります。
シャワーで済ませやすい人は、短時間でも良いので入浴する習慣をつけてみましょう。
入浴後は体を冷やさないようにして、水分補給も忘れずに。
運動する習慣をつけよう
運動することで血の巡りが良くなるため、冷え対策に効果的です。
特に効果的な運動は、下半身の筋肉を鍛えること。
下半身には全身の筋肉の60〜70%が集まっているため、下半身にしっかり筋肉をつけることで体全体があたたまりやすくなります。
同時にふくらはぎを鍛えることで、むくみの予防にもなります。
- おすすめの運動①「ワイドスクワット」
回数:1セット10回を2セット
- 肩幅の2倍くらい足を開き、つま先は外側に向ける
- 背筋はまっすぐピンとする
- 太ももが地面と平行になるくらいまでしゃがむ。このとき、つま先より前に膝が出ないようにする
- おすすめの運動②「ふくらはぎの上げ下げ」
回数:1セット10回を3セット
- 両足を肩幅程度に開く。軽く壁に手をついてもOK
- 両かかとを上げきったら、地面スレスレまで下ろす
これらの運動は、少しおこなうだけでも体がポカポカしてきます。
運動は無理のない範囲でおこない、痛みがあるときはお休みしましょう。
体を冷やしにくい服装をしよう
冷え対策の基本はやはり、体を冷やさないこと。冷やしにくい服装をすることが大切です。
服装のポイントは、3つの首を温めること。3つの首とは、首・手首・足首です。
この3つの首の表面近くを太い動脈が通っているので、効果的に体全体を温めることができます。
夏もクーラーによって体が冷えてしまうことがあります。
そこで、くるぶしの靴下を足首まで覆う靴下にしたり、アームウォーマーを使ったりして、必要以上に体が冷えないように意識してみましょう。
普段そこまで体の冷えは自覚していなくても、手や足だけ冷えやすいという人にも効果があるのでおすすめです。
体を温める食べ物をとろう
冷え予防には、体を温める食べ物を積極的に摂ることも効果的です。
体を温める食べ物の特徴はこちら。ただし例外もあります。
- 冬が旬のもの
- 地面の下でできるもの
- 寒い地方でとれるもの
- オレンジや黄、黒のもの
- 発酵食品
(引用:全国健康保険協会)
体を冷やす食べ物は、煮る・焼く・蒸すなど熱を加える調理によって、体を温める食べ物に変えることができます。
また、ビタミンE・ビタミンB1を多く含む食べ物も冷えには効果的。
これらは手や足などの細かい血管を広げて、血の巡りを良くする働きがあります。
ビタミンEが多い食べ物 | うなぎ、ナッツ類、なたね油、あまに油 |
ビタミンB1が多い食材 | 豚肉、玄米、そば、大豆 |
さらに、肉・魚・豆類などのタンパク質を多く含む食べ物も大切。
特に、女性や高齢者など筋肉量が少なくて体が冷えやすい人は、筋肉を増やすことが冷え予防につながります。
筋肉を作るにはタンパク質が必要なので、タンパク質を多く含む食べ物を積極的に摂りましょう。
これらの食べ物を意識して取り入れることで、体を冷えにくくすることができます。
まとめ
今回は、ピアノの本番前に手が冷たいときの原因と対策を紹介しました。
手が冷たいときには、以下の方法を試してみましょう!
- 手袋やカイロだけでなく、羽織りやアームウォーマーも使って腕や手首から温める
- 深呼吸やストレッチをしてリラックス
- ココアや紅茶、しょうが湯を飲んで内側から温まる
普段から体が冷えやすい人は、以下のような生活習慣を見直して冷えにくい体を目指しましょう。]
- 毎日湯船につかる。40度前後のお湯に10分くらいがベスト
- 下半身の筋肉を鍛えて筋肉量を増やす
- 3首(首・手首・足首)をあたためた服装をする
- 体を温める食べ物を積極的に摂る
普段はそんなに冷えを感じない人でも、本番前の冷えや緊張で手が冷たくなってしまうこともあります。
でも、あせらなくて大丈夫。今回紹介した方法をぜひ試してみてください。
手がぽかぽかあたたまるだけでなく、気持ちも落ち着いてくるはずです。
そして、これまでの練習の成果が十分に発揮できることを祈っています!
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