「ピアノの発表会があって緊張する」
「人前だと緊張でうまく演奏できない」
「緊張すると身体が震えてしまう」
この記事を読んでいる人は、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
発表会など、人前で演奏するのって緊張していつもの実力が発揮できなくなってしまいますよね。
この記事では、ピアノの演奏で緊張してしまう人へ、緊張しない方法や緊張をほぐす方法を紹介します。即効性のある方法を厳選したので、ピアノの発表をすぐに控えている人でも、すぐに試すことが可能です。
- 緊張しないようになる考え方
- 緊張をほぐす方法
- 緊張は悪いこと?
人前で演奏することに不安を感じている方は、ぜひこの記事の内容を試して、本番で自分の実力を発揮できるようにしましょう。
緊張は悪いことばかりでない

緊張は悪いことばかりでないのを知っていますか?程よい緊張は自分の力になるんです。
なぜなら、緊張したときに「ノルアドレナリン」という物質が分泌されることで、ピアノ演奏のパフォーマンスが向上するからです。
「ノルアドレナリン」が分泌されると、次のような効果をもたらします。
- 脳を活性化させる
- 情報処理を速くする
- 記憶力が向上する
- 集中力が増す
このように、ノルアドレナリンが適度に分泌されている状態では、ピアノ演奏で普段よりも力を出せます。
しかし、緊張しているときにいつもより力がでると感じている人は少ないのではないでしょうか。
じつは、「ノルアドレナリン」が過剰に分泌されると身体にとって悪影響になってしまいます。
過剰に分泌されると、必要以上にストレスがかかってしまって、パフォーマンスの悪化に繋がってしまうためです。
そのため、程よい緊張感を保つことがいつも以上の力を発揮するために大切なことだと言えます。
緊張は悪いことばかりでなく、力を発揮するのに役立つということを知っておくと、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
ピアノ演奏で緊張しない方法

「本番が近づくと緊張して頭が真っ白になる」
「緊張してミスをしてしまうかと思うと不安になる」
このように感じる方が多いのではないでしょうか。
先述した通り、過度に緊張してしまうとストレスがかかってしまいます。そんな状態では自分の力を発揮するところではないですよね。
ここでは、緊張をしない方法について紹介します。
- 紙に不安を書きだす
- 考え方を変える
- イメージトレーニングをする
- 身体の力を抜く
- リラックスできる香りをかぐ
- 緊張緩和に効く薬・ドリンクを飲む
それぞれ、どのような方法なのかを知っておきましょう。
紙に不安を書きだす
紙に悩みや不安などを書きだすことで、頭がスッキリして不安な気持ちが解消されます。
なぜなら、紙に書きだしてみることで、自分の悩みが目に見える形になって、頭のなかが整理されるからです。
頭のなかのモヤモヤしたものが整理されることで、不安な気持ちが落ち着き、自分がこれからどうすればよいのかを考えられるようになります。
それに、書かれた悩みや不安を見てみると、案外大したことじゃなかったなと気づいて気持ちが楽になることもあります。
かつて、アンドリュー・カーネギーという、「鉄鋼王」と称されたアメリカの実業家がいました。
カーネギーは当時世界で一番忙しいのではないかと言われていて、そんな彼はあまりに多忙なため、自殺を図ろうとしたのです。
自殺する前に遺書を書こうとしたカーネギーは、そこで一度、自分が抱える悩みを書きだしてみることにしました。
自分はひょっとしたら1,000個の悩みを抱えているのではと思っていたところ、書きだしてみたら70個しか悩みがないと気づいて、自殺を止めてそれらの解決方法を考えたそうです(70個でも充分多いように思いますが…)。
このように、紙に一度書きだしてみることで、頭が整理されて緊張や不安な気持ちが軽くなるのでおすすめです。
考え方を変える
考え方を変えてみると、緊張や不安が嘘のようになくなってしまうことがあります。
観客を楽しませる
「他の人のためになることをしよう」と考えると緊張が和らぎます。
最新の研究によると、向社会的・利他的な考え方をすることで、ストレスに強くなって不安や緊張が抑えられるそうです。
向社会的・利他的な考え方とは何かというと、「他の人のためになることをしよう」という考え方のこと。
↓詳しくはこちらの記事から
脳科学が証明した、緊張がほぐれる “意外すぎる” 行動
そこで、ピアノを演奏するときに、「観客を楽しませよう」と考えてみてください。「上手にピアノを弾けるか」でなく、「観客に楽しんでもらう」のように見方を変えることで、自分の外に目が向きます。
その結果、緊張が和らいで演奏を楽しむことができるでしょう。
「どうでもいい」と唱える
「どうでもいい」と唱えることで、失敗を恐れない考え方を身につけることが可能です。
「どうでもいい」と唱えるってことは、「投げやりになって適当にやれってこと?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
実際にどういうことなのかを具体的に見てみましょう。

緊張しているときは、「ミスするかも」「失敗したらどうしよう」などと考えていると思います。
そういうときは、1つ先のことを考えてみましょう。失敗したらどうなるでしょうか。
多分、失敗したことに落ち込んでしまいますよね。そんなときに「どうでもいい」と言ってみてください。
「失敗して落ちこんでもどうでもいい。落こんでもちょっと時間が経ったら忘れてる。」
失敗しても死ぬことはありません。ついつい失敗を恐れてしまいますが、失敗した後のことを考えると意外に大したことはないです。
このように、不安な気持ちや恐れているものに対して、「どうでもいい」と唱えることで失敗を恐れないで行動できるようになります。
この方法は、緊張しているとき以外の場面でも使えるので、ぜひ試してみてください。
ドキドキからワクワクに
緊張している状態の「ドキドキ」を「自分はワクワクしているんだ」と考えるようにしましょう。
これは、「リフレーミング」というコミュニケーション心理学の概念の1つで、簡単にいうと「とらえ方を変える」ことです。
例をあげると、コップにジュースが半分入っているときに、「半分”しか”入ってない」と考えるところを、「半分”も”入っている」と変える。このように、とらえ方を変えることで、ネガティブなことでもポジティブに受けいれることが可能です。
これを緊張している場面で活用すると、緊張しているときのドキドキとした感覚を、「あ、自分は今ワクワクしてるんだ」と見かたを変えることができますね。
ワクワクしているんだなと思うと、自然と楽しい気持ちになってくるのではないでしょうか。
この「リフレーミング」という手法は、覚えておくと緊張しているときだけでなく他のさまざまな場面で使えて、ネガティブな出来事でもポジティブにとらえられます。
緊張している状態をポジティブにとらえ直してみると、緊張が和らぐのでぜひ試してみてください。
イメージトレーニングをする
イメージトレーニングは緊張を和らげるのにも役立ちます。
なぜなら、イメージトレーニングをすることで本番の状況に慣れ、緊張をしづらくなるからです。
脳は現実とイメージを区別できないということを知っていましたか?
わかりやすい例をあげると、梅干しを想像するというものです。梅干しを想像すると、実際に食べたわけでもないのに、口の中に唾液がでるのではないでしょうか。
このように、脳はイメージしたものを現実として考えてしまう特性があります。これを活かすことで、発表会などの場に慣れることが可能です。
具体的な方法は、
本番の様子を可能な限りくわしくイメージする
これだけです。
例えば、本番はどのような場所・時間で、どういう服を着て、どのような光景が見えているかなどの細かいところまでイメージするようにしてみてください。
できるだけ詳細にイメージすることで、本番に近い状況を体験することができるので、よりその場に慣れることができます。
イメージトレーニングはプロのアスリートでも試す方法で、とても有効です。本番直前だけでなく、日々の練習にも取り入れてみてください。積みかさねていくと、どんどん効果が高まっていきますよ。
身体の力を抜く
緊張しているときは、身体の力を抜くことを意識してみましょう。
緊張しているときというのは、無意識のうちに身体のどこかに力が入っていることが多いです。
身体に余計な力が入っていると、身体がガチガチになってしまってどんどん緊張してしまいます。
そこで、緊張しているときは、ストレッチなどをして身体の力を抜いてあげましょう。
例えばピアノを演奏する直前にすこしストレッチをするなど、いつでも試すことができるので、緊張を感じたらやってみてください。
それでは、身体の力を抜く方法を紹介します。
やり方は簡単で、顔から足まで、部位ごとに順番に力を抜くだけです。
- 1つの部位に力を入れてみる(3~4秒)
- 力を入れた状態から、一気に力を抜く
- 2~3を順番に行っていく
これを、顔→肩→腕→足などと、身体の上の方から順番に行ってみてください。
このとき、力を抜くふわっとした感覚を感じながら行うのがポイントです。この方法は、どこでもすぐにできるので、緊張を感じたらこのストレッチをやってみてください。
また、15分程度の時間が取れて、周りが静かな環境なら「筋弛緩法」を試すのがおすすめです。
この方法は、認知行動療法の一環として行われているもので、緊張を解消するのに効果があります。
詳しい方法は、こちらの記事で紹介されているので気になった方は確認してみてください。
リラックスできる香りをかぐ
香りには多くの効果があり、かぐことでリラックス効果を得られるものもあります。
香りは古くから病気や傷を癒すのに利用されていて、現代でも香りの力はスポーツや医療などのさまざまな場面で使われています。
そんな香りのなかでも、
- ラベンター
- ローズウッド
この2つは、リラックス効果があることで有名です。
どちらの香りも鎮静効果があり、かぐことで心が落ち着きます。
プロのピアニストにも、ハンカチに好きな香りを付けておいて、本番前にかいでいる人がいるそうですよ。
ラベンダーは、フローラルな花の香りで柔らかい印象。
ローズウッドは、バラのような甘い香りが特徴。
まずは、気になった方の香りから試してみることをおすすめします。
用途としては、ハンカチに精油(エッセンシャルオイル)を1滴付けておくのがおすすめです。
ハンカチなら発表会などの場面でも持ち歩くことができるので、好きなときに香りをかぐことができます。


緊張緩和に効く薬・ドリンクを飲む
緊張を緩和してくれる薬やドリンクがあるため、それらを飲むことで緊張が解消されます。
どうしても緊張がとれないという方は、緊張緩和に効く薬やドリンクを飲んでみてはいかがでしょうか。
緊張緩和に効く薬・ドリンクとして、
- 「アロパノール」
- 「CHILL OUT」
を紹介します。
「アロパノール」は、「全薬工業」から販売されている医薬品です。抑肝散(よくかんさん)という漢方が使われており、緊張・イライラ・不安などの神経症状を改善してくれます。
飲むことでストレスが軽減され、緊張の緩和だけでなく、不眠やイライラの改善にも効果的です。

「CHILLOUT」は、「Endian」が販売するドリンクで、エナジードリンクの反対である「リラクゼーションドリンク」となっています。
GABA・L-テアニン・ヘンプシード抽出物・ホップ抽出物などを配合しており、飲むことでリラックス効果を得ることが可能です。

僕はかなり緊張しやすい体質で、緊張しそうな機会があるとすごく憂鬱になります。しかし、こういった緊張を和らげることができるものがあると、飲む飲まないに関わらず安心することができるんですよね。
なので、どうしても緊張してしまうという方は、こういった薬やドリンクを一つ持っておくだけでもお守りのような形で安心できるのではないでしょうか。
まとめ
ピアノの演奏で緊張しない方法について解説してきました。
緊張しやすい人にまず知ってもらいたいのが、緊張は悪いことではないということ。
その理由は、程よい緊張はパフォーマンスの向上に繋がるからです。
とはいえ、ガチガチに緊張してしまって、本来の実力を発揮できない人も多いでしょう。
そんなときは、緊張しない方法として、
- 紙に不安を書きだす
- 考え方を変える
- イメージトレーニングをする
- 身体の力を抜く
- リラックスできる香りをかぐ
- 緊張緩和に効く薬・ドリンクを飲む
これらを試してみてください。
個人的に、ピアノを発表するときは自分を信じれるかというのが大切だと思います。今までやってきた練習を思い返してください。
たくさん練習した分、きっと素晴らしい演奏ができると思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
コメント