ピアノの指番号は無視しちゃダメ?指番号を守るとできるようになる3つのこと

ピアノの練習をするとき、指番号を意識していますか?

指番号とは、音符の上にある小さな数字のことで、「どの音を、どの指で弾くか」を表しています。

譜例:モーツァルト作曲「トルコ行進曲」
引用:https://imslp.org/wiki/Piano_Sonata_No.11_in_A_major,_K.331/300i_(Mozart,_Wolfgang_Amadeus)

※ピアノでは右手と左手、それぞれ親指から小指まで1から5の番号で表されています。

指番号に対する意識は人それぞれです。

僕は複数の方からレッスンを受けたことがあります。ある先生は「指番号は多少変でも、聴いておかしくなければOK」という方、また別の先生は「一音でも指番号が間違っていると先に進ませてくれない」という方でした。

恐らく、ピアノを始めたばかりの初心者の方の多くは、

「ピアノの指番号は無視しちゃダメなの?」
「指番号って、正直面倒くさい…。適当でもいいの?」
「どの指使いでも、楽しく弾ければいいじゃん!」

という風に感じているのではないでしょうか。

結論からいうと、指番号は無視しない方が良いです!

僕もピアノを弾き始めた頃は、「指番号ってちょっと面倒だし、正しく音が押さえられてればOK」と考えていました。

面倒だと思いつつ指番号を守って弾きつづけた結果、より表現の幅が広がったり、指番号が書かれていない楽譜でも自分で考えて演奏できるようになったりしました。

この記事では、

  • 指番号を守るとできるようになること3つ
  • 書いてある指番号が自分に合わない時の対処法2つ
  • 指番号を守って演奏する際の注意

について紹介します!

この記事を読めば、明日の練習から「指番号、ちょっと意識してみようかな」と思えるかも!

ぜひ、参考にしてください!

目次

楽譜の指番号を守るとできるようになる3つのこと

楽譜に書いてある指番号は、無視せずに守った方が良いです。

理由は下記のとおりです。

指番号を守るメリット

  1. フレーズを自然になめらかに演奏できる
  2. 指に負担をかけず演奏できる
  3. 指番号の書いていない曲にも応用できるようになる

指番号を守るメリットについて一つずつ、詳しく解説していきますね。

①フレーズを自然になめらかに演奏できる

指番号を守って演奏することで、フレーズを自然になめらかに演奏することができます。簡単な楽譜を使って解説します。

下記の楽譜をご覧ください。

これは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」、つまりハ長調の音階ですが、皆さんはどんな指使いで演奏しますか?

音が高い方に向かっているので、なんとなく「再低音のドが、右手の親指(1)かな〜」というのはイメージできると思います。

親指のドから小指のソの音まで順番通り弾くと、指が足りず「ラが届かない!」となってしまいますよね。

初心者の方ですと、残りの「ラ・シ・ド」を5の指(小指)でトントントン、と演奏する人が多くいます。

一応、8音すべて演奏できているのですが、ソとラで音が途切れてしまい、なめらかに弾くことができません。また速い曲だと、テンポに乗り遅れてしまうことがあります。

こんな時に注目したいのが指番号

さて、このハ長調の音階「ドレミファソラシド」を下の指番号で弾いてみるとどうでしょうか。

ミを中指(3)で演奏した後、中指を軸に親指(1)を下からくぐらせ、ファを打鍵します。こうすることで、ファから最高音のドまで、親指から小指まで順に演奏できますよね。

このように正しい指使いで演奏することで、鍵盤から指を離すことなく、なめらかに演奏できます。

指くぐりについての詳しい記事はこちらです。

②指に負担をかけずに演奏できる

指番号を守ることで、指や手首に負担をかけず演奏できます。

例えば「同音連打」のフレーズ。

「同音連打」とは、読んで字のごとく、同じ音を3,4回連続で打鍵することです。

譜例:ショパン作曲「華麗なる大円舞曲」
引用:https://imslp.org/wiki/Grande_valse_brillante%2C_Op.18_(Chopin%2C_Fr%C3%A9d%C3%A9ric)

この曲の出だしは「シ♭・シ♭・シ♭」と、同じ音で始まっていますが、指番号を見てみると「1・3・2(親指→中指→人差し指の順)」となっています。

「同じ音なら、親指でも人差し指でも、なんでも良いんじゃないの?」

と思いますよね。

実際に弾いてみると分かるのですが、同じ指で連打をすると、1本の指に力が集中し、手首にかなり力が入ってしまいます。テンポが速ければ速いほど手首が固くなり、最悪の場合、腱鞘炎になってしまうことも。

お手元に鍵盤があれば試しに弾いて、比較してみてください。

初めは違和感があるかもしれませんが、数十回弾いてみると慣れると思います。

練習していて「なんとなく指や腕が疲れるなぁ…」と感じたときは、ちょっと指番号を試してみると良いかもしれません。

リスト作曲の「ラ・カンパネラ」という曲で同音連打が使われています。(1:30~辺り)

よく見ると、ミ♭を人差し指、親指(2-1)…と指を変えて素早く連打しているのがわかります。

③指番号の書いていない曲にも応用できるようになる

指番号を意識しながらたくさんの曲をこなしていくと、指使いのパターンを覚えます。

その結果、指番号が書かれていない曲を弾くときでも、譜読みの段階から最も適切な指番号を自分で探しだせるようになります!

初心者向けやクラシック系の楽譜には、たいてい指番号などが書いてあります。しかし、J-popやバンドスコア、ネットで公開されている楽譜には、指番号が書いていないものが多いです。

「これ弾きたい!」と思った曲を楽しく弾けるように、初心者のうちは指番号の書いてある曲にたくさん触れて、指使いの引き出しを増やしましょう。

おすすめ教則本「ハノン」

曲の練習以外で指使いのパターンを増やすには、ハノンが大変参考になります。

プロアマ問わず多くのピアノ学習者に愛用されている教則本で、指の独立・強化のためのレッスンがたくさん詰め込まれています。

マスターすれば、指の独立・強化だけでなく、ピアノの基礎的な指使いも自然に身につくので本当におすすめです。

といっても教則本なので、内容自体はかなり地味ですが…。

この中で、「日頃から練習して指使いを覚えておくと良いもの」を紹介します。

以下、譜例引用:https://imslp.org/wiki/The_Virtuoso_Pianist_(Hanon%2C_Charles-Louis)

  • 指くぐりの練習

ハ長調の音階では、中指を軸にして親指をくぐらせる方法を紹介しました。

この他にも実際の楽曲では、人差し指と親指(2-1)や、薬指と親指(4-1)を使って演奏することが多いです。

とくに薬指と親指(4-1)の指くぐりは、指の力が弱い薬指を安定させて演奏するのが難しいので、手に馴染むようたくさん練習してみましょう。

  • 音階(スケール)

日ごろから音階練習をしておくと、音階の一部又は全部が曲に出てきたとき、どの指から弾き始めたら良いか、どこで指をくぐらせたら良いかがパッと判断できます。

先ほど例にだしたハ長調の音階。右手は親指(1)から、左手は小指(5)から始まっていてとても覚えやすいですよね。

しかし、変ロ長調や変ホ長調のように、シ♭やミ♭などの黒鍵から始まるスケールは指番号が少し複雑になります。

こちらは変ロ長調の音階ですが、右手は人差し指(2)から、左手は中指(3)から始まっています。

しかも右手は、シ♭→ドで人差し指、親指(2-1)で指をくぐらせているので難しいです。

全ての調を一気に練習するのはとても大変なので、「今練習している曲の調だけ」というように、好きなところから弾いてみると良いと思います。

  • 半音階

「半音階」とは、「ド・ド♯・レ・レ♯…」のように隣接する白鍵と黒鍵、「ミ・ファ」のように隣接する白鍵と白鍵を演奏することです。

この半音階も実は特殊な指使いをしています。

譜例のように、白鍵と黒鍵は 親指、中指(1-3)、白鍵と白鍵は親指、人差し指(1-2)というようにすると、指が足りないということがなく、なめらかに演奏できます。

以上、おすすめの教則本「ハノン」の紹介でした。

書いてある指番号が自分に合わない時の対処法2つ

ここまで読んで頂いて、「指番号って意外と大事だな。便利だな」ということを理解していただけたかと思います。

とはいえ、いくら指番号どおりに演奏しようとしても、人それぞれ手の形や大きさは違うので、書いてある指番号が自分に合わないときもあります。

このような場合は、一つの指番号に固執する必要は全くありません!

ここでは、指番号通りに弾きづらい時の対処法を2つ紹介します。

①複数の楽譜を弾き比べて自分に合う指番号を探す

同じ曲でも、出版社やアレンジャーが変わると、ピアノの指番号も違うように書かれていることがあります。

「あれ、この指番号、何か弾きにくいかも」と思ったときは、他の出版社やアレンジャーの楽譜を複数弾き比べてみるのも良い方法です。

その中で一番手の負担が軽く、かつ曲の雰囲気に合った演奏ができる指番号を選びましょう。

②自分の手や指の大きさに合った指番号を決める

「参考になりそうな指番号がない!」という時は、自分なりに指番号を試してみて決めましょう。

指番号の決め方のヒント

  • 長いフレーズは最後の音から逆算し、どこで指をくぐらせるか決める

先ほど例に出したハ長調の音階を思い出してください。

「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の8音を5本の指で弾くために、ミを弾く中指(3)を軸にし、親指(1)を下からくぐらせてファを打鍵する必要がありました。

このようにドからソの5本指に収まらないような長いフレーズを弾くときは、たいてい中指か薬指で指をくぐらせます。

「どのくらい音の間隔が開くのか」「どこの音に到達すれば良いのか」を逆算して指をくぐらせるところを決めましょう。

  • 黒鍵で始まるフレーズは人差し指や中指を使う

音の進行方向にもよりますが、親指や小指は弾きにくいのであまり使いません。

指番号を自分で決めるのは、初心者の方にとってはかなり難易度が高いです。

「スラーのフレーズはなめらかに弾けるか」「手首や指、腕などに余計な力が入っていないか」など、耳や指の感覚を頼りに研究してみてください。きっと「これだ!」と思うものが見つかるはずです。

一度決めた指番号は守って弾こう

一度「弾きやすい!」と思う指番号を決めたら、気分で変えたりせずに、きちんと守って弾きましょう。そのほうが効率が良いので早く上達します。

まとめ

最後までお読み頂きありがとうございました!

本記事をまとめると、次のようになります。

指番号を守るとできるようになる3つのこと

  1. フレーズを自然になめらかに演奏できる
  2. 指に負担をかけず演奏できる
  3. 指番号のない曲にも応用できるようになる

書いてある指番号が自分に合わない時の対処法2つ

  1. 複数の楽譜を弾き比べて自分に合う指番号を探す
  2. 自分の手や指の大きさに合った指番号を決める

一度決めた指番号は守って弾く

以上です。

これまで「指番号を無視して演奏していた」「あまり気にしたことがなかった」という方も、レベルアップのために、これから意識して練習してみてください!

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ここまでお読みいただきありがとうございました!
あらためてふくるーと申します。
20代後半で、ピアノを教えています。
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