「人前でピアノを演奏すると緊張する」
「緊張すると手汗が止まらない」
「手汗を意識すると余計に止まらなくなる」
この記事を開いた方は、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。ピアノを演奏する上で、手汗は解決したい問題ですよね。
緊張すると手汗が止まらなくなる方に向けて、手汗対策の方法を紹介します。
- 手汗をかく原因
- 手汗の対策方法
ピアノを演奏するときに手汗で困っている方は、この記事を読んで、対策方法を試してみてください!
ピアノ演奏で手汗をかく原因

手汗をかく原因として、精神的な理由と手掌多汗症が考えられます。
まず、汗には3つの種類があるとされています。
- 温熱性発汗
- 味覚性発汗
- 精神性発汗
温熱性発汗は、体温調節のための汗。
味覚性発汗は、辛いものを食べることでかく汗。
そして、ピアノ演奏でかく手汗に最も関係があるのが精神性発汗です。
精神性発汗は、緊張やストレス、自律神経の乱れが原因となってかく汗で、手のひらや脇から発汗します。
僕も人前で何かするときなんかは、「失敗したらどうしよう」などと考えて緊張してしまい汗が止まらなくなるという経験をよくしました。
このように、ピアノを演奏するときなどの緊張した場面でのみ手汗をかく人は、緊張やストレスが原因となっている可能性が高いです。
もう一つ、手汗をかく原因として手掌多汗症も考えられます。
手掌多汗症とは、手のひらや足裏などに汗を多くかいてしまう病気です。手掌多汗症の人は、緊張していないときでも汗をかいてしまうことがあります。
どのくらい汗をかくのかは人によって違っていて、程度によって3段階のレベルが設けられています。
レベル1 | レベル2 | レベル3 |
軽く湿っている 光が当たると、ツヤが見える 触ると汗ばんでいるのがわかる | 水滴ができて、見るだけでも汗をかいているのがわかる | したたり落ちるくらい水滴ができる |
手掌多汗症は、自分自身では判断しづらい部分もあるため、気になった方は病院で検査を受けるとよいでしょう。
手汗を防ぐには?おすすめの対策方法

それでは、手汗を防ぐための対策方法について解説します。
- タオルやボディシートで手汗をふく
- 生活習慣を改善する
- 緊張を解消する
- 手汗に効果的なツボを押す
- 制汗剤を使う
- 皮膚科を受診する
それぞれ、どのような方法なのかを確認して、気になったものを試してみてください。
タオルやボディシートで手汗を拭く
手汗をかく人にとって、タオルやボディシートはかかせない存在でしょう。
もし手汗をかいてしまったときに、拭くものがなかったら大変ですよね。
手汗をかいてしまうのはしょうがないにしても、そのまま手が濡れた状態だと、演奏に支障をきたしてしまいます。
ですので、発表会など、人前で演奏する機会があるときはタオルなどの拭くものを持っていくようにしましょう。
タオルは吸水性がよいものだと、汗を多く吸い取れるのでおすすめです。
また、ボディシートも手汗を拭きとるのに役立ちます。ボディシートは、拭くと清涼感を得られてスッキリとするものが多いです。
そのため、手汗をかくのを防ぐことができるので、使ったことがない人は一度試してみましょう。
おすすめのハンドタオルとボディシートのリンクを貼っておくので、気になった方は確認してみてください。


生活習慣を改善する
生活習慣を改善することで、必要以上に手汗をかいてしまうことを防ぐことができます。
「ピアノ演奏で手汗をかく原因」でも説明しましたが、発汗には緊張やストレス、自律神経の乱れが原因になっている場合があります。
そのため、生活習慣を改善し、自律神経を整えることで発汗を抑えることが可能です。
生活習慣の改善方法について、全国健康保険協会が詳しく紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
きちんとした生活を送ることは、手汗を抑えるだけでなく、演奏で自分の力を発揮することにも大切です。一度、私生活についてじっくり見直してみてはいかがでしょうか。
緊張を解消する
緊張が原因で手汗をかくという場合、緊張をしないように対策するのがよいでしょう。
普段は手汗をかかないけど、演奏するときなど、緊張する場面では手汗をかくという人は緊張を防ぐか、緊張を緩和するのが効果的です。
ここでは、緊張を防ぐ方法として、「紙に不安を書きだす」と「考え方を変える」という方法を紹介します。
すぐに試すことができる方法なので、本番直前にも使うことが可能です。ぜひ試してみてください。
紙に不安を書きだす
紙に悩みや不安などを書きだすことで、頭がスッキリして不安な気持ちが解消されます。
なぜなら、紙に書きだしてみることで、自分の悩みが目に見える形になって、頭のなかが整理されるからです。
頭のなかのモヤモヤしたものが整理されることで、不安な気持ちが落ち着き、自分がこれからどうすればよいのかを考えられるようになります。
それに、書かれた悩みや不安を見てみると、案外大したことじゃなかったなと気づいて気持ちが楽になることもあります。
必要なのは紙とペンだけなので、いつでも試すことが可能です。就寝前に行うと寝付きがよくなるという効果もあるので、発表会があって不安な夜にも試してみてください。
考え方を変える
考え方を変えてみると、緊張や不安が嘘のようになくなってしまうことがあります。
具体的には、「他の人のためになることをしよう」と考えてみましょう。
最新の研究によると、このような向社会的・利他的な考え方をすることで、ストレスに強くなって不安や緊張が抑えられるそうです。
↓詳しくはこちらの記事から
そこで、ピアノを演奏するときに、「上手にピアノを弾けるか」でなく、「観客を楽しませよう」と考えてみましょう。
このように、自分の外に目を向けることで、緊張が和らぎ演奏を楽しむことができるでしょう。
他にも、緊張を解消する方法についてこちらの記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
【ピアノの演奏で緊張する人必見】即効性がある緊張しない方法を紹介!
手汗に効果的なツボを押す
手汗を抑えるには、「合谷(ごうこく)」と「労宮(ろうきゅう)」というツボが効果的です。
「合谷」は、人差し指と親指が交わる部分から、人差し指側にある痛みを感じる場所にあります。”万能のツボ”として知られていて、頭痛や肩こり、ストレスなどの幅広い症状に効果的なツボです。
発汗機能や代謝を正常にしてくれる働きもあるので、手汗を抑えるのにも役立ちます。
「労宮」は、手を軽く握ったときに、中指が触れている場所にあります。自律神経を整える作用があり、緊張の緩和やストレスなどに効果的です。
緊張して手汗がでたときには、このツボを押してあげるとよいでしょう。
ツボを押すときのポイントは4つ。
- 指の腹で垂直に押す
- 力加減は、「痛気持ちいい」と感じるくらい
- 3,4秒かけて押し、同じ時間かけて戻す
- 回数は1日に3~5回でそれ以上はやらない
ツボを押して痛いと感じるときは、不調のサインだそうです。「強く押した方が効果があるのかな」と思って強く押すと、筋肉が傷ついてしまうので注意が必要。
ツボ押しはいつでもどこでも試すことができるので、緊張を感じたときや手汗がでたときに試してみてください。
制汗剤を使う
制汗剤は、手軽に汗を抑えることができるのでおすすめです。
制汗剤を使うことで、使用した部分に蓋をすることができるので汗を抑えることができます。
手汗用の制汗剤には、主に3つの種類があります。それぞれの特徴と、タイプごとにおすすめの制汗剤を紹介するので、気になった方は確認してみてください。
- クリームタイプ
クリームタイプは、3つの中でもっとも効果時間が長いです。しかし、手がベタつきやすいため、ピアノの弾き心地に影響があるかもしれません。ベタつくのが好きではない方は、残り2つのタイプを試すのがよいでしょう。

制汗効果のあるクリームで、デリケートな肌の方でも使用することができます。手だけでなく、脇や足など、全身に使用することが可能です。また、専用の小さい容器が付属しているので、持ち運びが簡単です。
- ジェルタイプ
ジェルタイプは、クリームタイプよりも効果時間は劣りますが、ベタつかず肌になじみます。ベタつきが気になる方にはおすすめです。

塗った後も、ベタつかずに肌になじむジェルタイプの制汗剤です。無香料なため、匂いを気にすることなく使うことができます。
- パウダータイプ
パウダータイプは、付けるだけで手がさらさらになります。手汗をかいた後でも、手汗を吸収してくれるので、急な場面でも使用することが可能です。

即効性が高い、パウダータイプの制汗剤。手に付けることで、長い時間さらさら感が持続します。持ち運びが容易で、片手で開け閉めができる容器なので、外出先でも使いやすいです。
皮膚科を受診する
どうしても手汗が止まらない方は、病院に行って診察を受けるのがよいでしょう。
自分だけでやれることは限られているため、改善が見られない場合は、専門家に頼るのが確実で早いです。
病院で受けることができる治療方法は主に4つあります。
- 内服薬
1つ目は内服薬による治療です。これは僕も一度服用したことがあるのですが、副作用として喉の乾きを感じました。
他にも副作用として、目のかすみや頭痛、眠気などが生じる可能性があるため注意が必要です。
- イオントフォレーシス
イオントフォレーシスとは、汗が多い手や足裏などの箇所を水に浸し、そこに電流を流すという治療法。メリットとしては、副作用と痛みがないことです。
週に1,2回の治療(15~20分程)を計5回行います。5回の間に効果がでる人もいれば、5回治療を受けても効果がない人もいるので、効果は人によるようです。
- ボツリヌス注射
汗を多く箇所に注射をすることで、4~9か月のあいだ、汗を抑えることができます。1回で長期間効果が持続するので、年に1,2回の治療で済むのがメリットです。
- 手術
手汗の治療には、「胸部交感神経節切断術」という手術を行います。この手術によって、両手や脇、胸の上のあたりの汗を止めることが可能です。
手術の時間が短く、手術を受けた当日に帰宅できる病院もあるようです。
しかし、副作用がでる場合もあるので注意が必要。手や脇からの汗が抑えられるかわりに、背中や腰からかく汗の量が多くなる可能性があります。
このようなデメリットもあるため、手術を受ける際は担当の医師とよく相談するのがよいでしょう。
手軽に受けられる治療もあるので、お困りの方は一度診察に行き、話を聞くのがよいと思います。
まとめ
この記事では、手汗の対策方法について解説してきました。
ピアノの演奏で緊張して手汗をかくのには、2つの原因が考えられます。
【手汗の原因】
- 精神性発汗(緊張やストレスなどが原因の発汗)
- 手掌多汗症
その対策として、6つの方法を紹介しました。
【手汗の対策方法】
- タオルやボディシートで手汗をふく
- 生活習慣を改善する
- 緊張を解消する
- 手汗に効果的なツボを押す
- 制汗剤を使う
- 皮膚科を受診する
ピアノを演奏するのに、手汗は本当に困った問題ですよね。
手汗に困っている方は、この記事で紹介した方法を試してみてください。
素敵な演奏の発表に役立てたら嬉しいです!
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